3/11の地震に遭遇したのは、会社の山﨑牧郎君と一緒に中野坂上へ商談をしに行く途中だった。地下鉄丸ノ内線新宿駅。ちょうど電車がホームに止まり、乗換えしようとしたところだった。
とうとう来たか、関東大震災(野郎)!
相当揺れた。ふらついてじっと立っていられない。その時、直感的に地下は大丈夫。ただ、天井が落ちてきたらさすがにペチャンコだなと思った。
すぐに「ただいま関東地方に大きな地震が起きた模様です」という構内アナウンスが流れた。地下でもこれだけ揺れたのだから、地上に出たら大変なことになっているのでは・・・と地上に出てみると、小田急百貨店内で社内連絡放送が流れている一方で、喫茶店でお茶をしている人もいる。ビルは倒れている様子もない。バスも動いている、車も走っている。ただ、みんながみんな携帯を見て連絡を取ろうとしている光景だった。
手元のドコモもiPhoneも全然つながらない。すかさず公衆電話を見つけて、往訪予定先に電話しキャンセル。家族に電話するがつながらない。実家に電話して留守番電話に無事を伝える。会社に電話したら百瀬さんが出て、皆大丈夫だと。
次に、タクシーをつかまえようと思ったら、ことごとく実車で全く拾えない。オフィス方面へ歩き出すことにした。新宿東口ではたくさんの人が中央分離帯のところに集まっている。直感的に、ビル倒壊からわが身を救える術なのか・・・
ビルから何が落ちてくるかわからないので、歩道ではなく車道を歩く。タクシーは相変わらずつかまらない。丸井の前を過ぎたとき、ビル壁面のかけらがいくつも落ちている。危ない、危ない。どこも店を閉じ始めている。
四谷方面を目指してひたすら歩く。たくさんの人が歩いている。地下鉄がなかったら地上にはこんなに人がいるのだということを実感する。
災害ダイヤルの番号をどうしても思い出せない。語呂で覚えたはずなのに。3桁だったか4桁だったか・・・ふと道路の警官に災害ダイヤル番号を聞く。彼も思い出せない様子。ちょっと確認してきますと、装甲車みたいな車の運転手に確認してもらっている。戻ってきて「171」だと教えてくれる。
そうだった。「あいつがいない(171)」と覚えたんだ、ということを思い出した。山﨑君の携帯(ウィルコム)がつながるようなので借りて「171」にかけてみた。すると伝言を受け付けていない。どうも東京は被災地に指定されていないらしい。ダメだ。
そうこうしているうちに、麹町・平河町のオフィスに到着。東北出身のスタッフの人たちが実家と連絡がとれないという。心配だ。テレビでは各地の津波の状況が映し出されている。
帰れそうにないスタッフのために宿泊場所を確保しようと周辺のホテルに電話してもらったら、どこもかしこも予約で満室。電車が動き出すのを待つスタッフの人たちと一緒にオフィスで待機。帰れないスタッフのためにオフィスは一晩開けるつもりだったが、皆、自宅や友人宅を目指して帰っていく。最後の一人になった関口さんが有楽町線の再開を待って23時過ぎに帰宅の途についた。その後、私は自宅へ。
「3.11」 地震の金曜日がこうして終わった。