社会科学系のための「優秀論文」作成術―プロの学術論文から卒論まで
学問の世界はテキストだけで読者を説得する。その「型」というものを身につけておけば、ビジネスの世界でもきっと役に立つのではないか。
これから博士号を狙うわけではない。ただ、博士課程に相当するぐらいの知的生産・表現方法を身につけておかないと、国内であれ海外であれ、どんなプロジェクトに関わるにせよ、今後社会に付加価値を産み出せないかもしれないと急に思い立った。
学問の世界は不思議な世界で、特に文系の世界では、これだけ沢山の先生がいるのに、議論の組み立て方を鳥瞰図的に丁寧に教えてくれる書籍は非常に少ない。考えられる理由は4つ。
・良くわかっているが、教える(書く)時間がない
・良くわかっているが、教える技術がない
・良くわかっているが、教えたくない
・そもそもあまり良くわかっていない、自分の中で体系化されていない
自分の研究で忙しいのもあると思うが、意外に大学の先生方もここまで議論の組み立て方を体系化(抽象化)できないのが実情でないかと思う。その意味で、同書は非常にユニークな貢献をしている。第1~4章がいい。