今では世界2位の透明度となったが、1931年に透明度41.6mという未だ破られていない世界最高記録を誇る湖、摩周湖。
巨大噴火で生まれた窪地に水がたまったらしいが、7000年前というから比較的新しい「巨大水たまり」だ。
ここには物語がある。
昔昔あるところで、アイヌ人の村同士の争いがあり、ある老婆と孫が命からがら逃げる道中で互いにはぐれてしまった。老婆は孫を探しさまようが見つからず、摩周湖にたどり着いた。
しかし、疲労困憊の老婆はそこから動けず来る日も来る日もそこで孫を待ち続け、とうとう島になってしまった。
今でも、誰かが近付くと老婆は孫が現れたかと喜んで嬉し涙を流す。その涙が雨であり霧なのだ、という悲しくて切ない物語。
画像左奥の湖面に寂しそうに浮かんでいる小島にお気づきだろうか。あいにく私は嬉し涙に出会えなかった。
みなさんが行かれた時にどうなるか。この物語を思い出してみてください。