カテゴリー: 映画・ドラマ・映像
昭和の町にタイムスリップ
ノスタルジックな気分に浸りたいなら、大分・豊後高田の昭和の町をおいて他なし。「クールジャパンアワード2015」受賞!
訴えられたタンタンが華麗に登場
タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 スペシャル・エディションDVD
を遅ればせながら観了。内容は冒険モノとしては非常にすばらしい作品でしたが、別の意味で非常に興味深いものでした。というのは、数年前からタンタンが訴えられていたからです。
そもそもそ私が初めて「タンタン」に出会ったのは1989年。英国Tunbridge Wellsのスミス氏宅にホームステイしたとき、さりげなく枕元に置いてあったのが、この「タンタンの冒険」シリーズでした。
世界中の読者に愛されている主人公のタンタンは、ベルギー・ブリュッセルに住む少年記者。くるっとカール風の髪の毛が特徴で、愛犬スノーウィを引き連れて、アフリカやアジアを大冒険するストーリー。いろいろな事件に首を突っ込むため、警察に容疑をかけられたり、悪人に殺されかけたりするなど波乱が絶えません。
そのタンタンですが、ベルギーの漫画家・エルジェにより1929年に初めて登場。それ以来人気を博していますが、数年前から、1930年ごろに発表された「タンタンのコンゴ探検」が、植民地主義的、人種差別的、野生動物虐待、と各国でボイコットや抗議運動に発展しています。
確かに、当時の植民地に対する偏見や現地住民に対する人種観が色濃く反映されているのは事実で、南アフリカではアフリカーンス語での出版停止。スウェーデンや本家ベルギーでも販売差し止め訴訟が起こされました。
実は「タンタン」の映画化も危ぶまれていたのです。
世界にも日本にも差別問題は残っています。黒人差別、民族差別(ユダヤ・ロマ)、アパルトヘイト、カースト、同和問題など、世界も日本もこれからもずっと学び続けることでしょう。
もちろん、私の中にも偏見や差別観は厳然とあります。ただ、差別=「本人の努力によってどうすることもできないことで不利益な扱いをすること/受けること」と考えると、差別はしないよう、されないよう、努めて心がけるしかありません。
偏見に満ちた漫画であることを十分承知しつつ、児童書ではなく、注意書きを添えた大人向け配架で読む機会があることを期待しています。
やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ
英国留学時代、戦中間期の日英外交史が論文テーマで、その際日本海軍について結構勉強したつもりでしたが、山本五十六のみならず、南雲忠一、山口多聞に関するイメージが大きく変わりました。
なお、「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」という金言が登場するのかと思いきや登場せず。残念。
弱い奴がどうやって強い奴に勝つか
先日DVD「マネーボール」を観た。ストーリーは野球だが、野球の世界に限らない。
弱小貧乏球団が金持ち大球団といかに戦うか、これは弱い奴がどうやって強い奴に勝つか、うちのような小企業がいかに大企業と戦っていくかと大いに重なる。
ブラッド・ピット演じるジェネラルマネジャー(球団社長)は、小予算の中で科学的な選手獲得手法を採用しようとする。
しかし、従来通りの経験と感性で選手獲得を進めようとするスカウト達と激突、やむなく彼らを解雇。方針に賛同しない監督とも衝突しながら、四面楚歌の中で、あきらめかけた頃・・・驚くべきことがおきます。
弱小が強大に勝つ。快哉の中でも最大の快哉の一つだろう。
英国王のスピーチ 観了
遅ればせながら観了。一言で言うと、当時、世界人口の4分の1を支配していた大英帝国の国王(現エリザベス女王の父・ジョージ6世)と豪州出身の平民との友情が織り成す吃音症克服物語。国王は失敗を重ねながら少しずつスピーチができるようになっていきます。
私たちは皆コンプレックスを持っています。そのコンプレックスに正面から向き合い克服するのはなかなかできるものではありません。
ジョージ6世、いい国王ですね。ベテラン俳優陣が演じるすばらしい映画でした。
実際のスピーチ音声(BBC)
http://www.bbc.co.uk/archive/ww2outbreak/7918.shtml
2月14日は重要な日
今日2月14日は重要な日です。日本男児なら・・・わかりますね。
そうです!
平将門公が亡くなった日です (爆)
バレンタインデーなんぞではありません。家族からもらえないなどと嘆いている日ではないんです(泣笑)
日本史に燦然と輝く革命家の逝去日なんです。
ということで、今日は将門公の話しにします (爆)
平安時代、朝廷は、国司(中央政府が任じる県知事みたいなもの)に対し、その土地の行政を任せるかわりに、貢物を京に送ることを求めるようになりました。
そこに、出世欲と贈収賄も絡み、収入を増やすことに執心する国司が現れ、過酷な取立てが各地で行われるようになりました。
日本史の教科書等で必ず登場する古文書「尾張国郡司百姓等解文」では圧政で悪名高い藤原元命(もとなが)が郡司や農民から朝廷に訴えられています。
そんな時代背景の中、関東で大人気だったのが平将門公。
将門記や海音寺潮五郎さんの小説では、権威主義を嫌い、仁義を重んじ、困っていたり苦しんでいたりする人を見ると放っておけず、彼らを助けるために体を張る正義感あふれる人として描かれています。
困っている大衆に愛され頼られ、やむにやまれず国府を占領、腐った中央政府から独立した国を作ろうとした革命家。
NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」(1976年放映)を観ると、深く共感するところ多々あります。家人の名前も同じでしたし・・(笑)
このドラマでは、独立国家はこのように作られるのか、ということも理解できます。
英国本国の徴税権から離脱をかけたアメリカ合衆国独立戦争も基本的にはこのようなものではなかったでしょうか。
平清盛もいいですが、独立国を作りたくなったら(笑)平将門に学びましょう。
ちなみに、上記ドラマは合計52話。前半少々退屈です(苦笑)。特に最初4、5話は飛ばしてもいいかと思います、というか、飛ばしたほうがいいです。後半になればなるほど面白くなってきます。
珍しく吉永小百合さんが汚れ役で登場!最近お亡くなりになった緒形拳さん、峰岸徹さん、大岡越前の大岡忠相役・加藤剛さん、徳川吉宗役・山口崇さん、水戸黄門の黄門役(第2代)・西村晃さん、(第3代)・佐野浅夫さんも登場しています。
クールジャパンがクールダウンしないうちに
読了。2006年の書籍だが、コンテンツ産業、特にアニメ・マンガにおける日本のダントツぶりがよくわかる。基本的な主張は色褪せていない。
しかし、日本の業界は強みにあぐらをかいてノンビリしてはいないか。当時の「クールジャパン」の強みが既にクールダウンし始めてはいないか。
特にゲームの世界ではダントツの地位から引きずり下ろされている。しかし、まだ間に合う。特にアニメ・マンガは儲かるビジネスとして回収するのはこれから。積極的に動けば、日本の突破口になるのは間違いない。
誰もやらないなら俺がやる(笑)
理想の世界観、ここにあり
クレジットカード「VISA」の広告でご記憶の方もいると思いますが、この動画を一目見たとき、ズバリ私にって理想の世界観と境涯がここにある!と思いました。いろいろな国でたくさんの人が集まり楽しそうに踊っているシーンになぜか涙がこぼれるんです(笑)。
何回見ても飽きません。彼がうらやましいです。こんな平和な世界になったら・・とつくづく思うとともに、その実現の一役を担いたいと本気で思います。
「TRON: Legacy」は原作「TRON」を観てから
を遅ればせながら観了。主人公の父(プログラマー)が作った「世界」の中で、プログラム自身がプログラマーの意思に反して自己判断し暴走し始める。父を追ってこの「世界」に入ってきた主人公は、はたして父を現実の世界に救い戻すことができるだろうか・・・というストーリー。
よくわからない部分が多かった・・・と思ったら、1982年に製作された「TRON」(後述)の続編だということが判明。先に教えてほしい(笑)。
とは言うものの、「TRON: Legacy」単体でもそれなりに楽しめる。「マトリックス」、「インセプション」、古くは「バックトゥザフューチャー」に通じる世界観・・・ 3Dで観るときっとすばらしい映像美だろう。
「人格障害」と認定される「企業」
経営者個人は悪い人じゃないのに、なぜ組織・企業になるとおかしな行動になってしまうのか?
利益向上を求める株主と価格低下を求める消費者の狭間で、企業の経営者が倫理観を失っていく・・・そんな様を「ザ・コーポレーション」は採り上げている。
経営者だけを悪者扱いしても解決しない。投資家も消費者も全体的長期的利益を考える必要がある。経営者としても消費者としても非常に考えさせられる映画だ。
夢の中で夢を見ること、ありますか?
夢の中で寝たことありますか? → YESの方へ、そこで夢を見たことがありますか? → YESの方へ、さらにそこで寝て夢を見たことがありますか?
「インセプション」遅ればせながら観了。そこで思ったのは、この世で体験している全てがひょっとしたら夢ではないかと(笑)。実際、夢の中ではこれが夢だなんて思っていない、「現実」だと思っている。
そして、この世を去るときに目が覚めて、来世では見ていた夢のことはすっかり忘れているのかもしれないと。たまに、夢について覚えている人がいて、その人は前世について語る人なのではないかと。
まあ、そんなことを考えさせられる、個人的には面白くてユニークな示唆を得た映画となりました。
九州新幹線のCM、一見の価値あり!
東日本大震災で西日本の話題が薄くなっている印象があるが、震災翌日・3月12日に九州新幹線が全線開通した。
博多~鹿児島中央間は最速で1時間19分。博多~熊本間は33分。新大阪~鹿児島中央間は3時間45分、新大阪~熊本間は2時間59分。東京から鹿児島まで新幹線で約6時間半か。
交通が便利になればなるほど地方から都市へ人が流出するといった功罪は別にして、その九州新幹線全線開業のCMが話題になっている。
確かにすばらしい。見事なプロモーション。たくさんの沿線のいろんな人が開通を喜んでいる感じで、見ている自分もハッピーになれる180秒。
なぜか泣けてくるんです(笑)
子供と大人の世界観を変える映画
正月観了。実はトイストーリー自体、遅ればせながら初めてだった。
モノに命が宿る。間違いなく観た後と観る前では、子ども達のおもちゃの捉え方が変わる。子ども達だけでなく大人を含めて、世界観を拡げる画期的な映画だ!
加えて、これこそ「Mottainai(勿体ない)」という日本の概念を広めるのに役立つ映画ではないか。
結構、感動。いい映画。 ★★★★☆
私の名前はハーン、テロリストではありません
高瀬富康君から薦められ、彼のインポート版を拝借して正月に観了。
アスペルガー症候群を患うインド人青年が米国に渡って、ヒンドゥー教徒のインド系女性と結婚。幸せな結婚生活を過ごしていたが、9.11事件を境に、自身が信仰するイスラム教への周囲の偏見から、子供を失い結婚も破綻する。そして、ある約束を果たすために米国横断の旅へ。
「私の名前はハーン、テロリストではありません」と唱えながら放浪する純粋な彼の心に、多くの人の心が動かされ、約束の実現が次第に近づいていくというストーリー。
インド人女優カージョルの美しさはもちろん、インド映画の大スター、シャー・ルク・カーンの演技が何と言ってもすばらしい!
ところで、この鑑賞後の爽快感。何かに似ていると思ったら、「フォレスト・ガンプ」のあれなのだ。偏見を乗り越える心の美しさ・シンプルさに触れることができる傑作です。オススメ。
★★★★☆
いつのまにか日本語版も出ている模様・・
マイネーム・イズ・ハーン [DVD]
クリスマス直前に「クリスマスキャロル」
言わずと知れたチャールズ・ディケンズの名作「クリスマスキャロル」(イギリス英語だと「クリスマスカロル」)。ディズニーが忠実にディケンズの世界を映画化しています。
公開から1年遅れですが、クリスマス前のこの時期に観了。感動しました!
観ていない人に申し訳ありませんが、主人公・守銭奴クルージは、あるクリスマスイブの日、3つの精霊にそれぞれ自分の過去と現在と未来を見せられ、自分の生き方を悔い改めるというストーリー。
最後、誰にも省みらず惜しまれず自分が死ぬ様を精霊に見せられ、自分の墓標を見て奈落の底に落ちると思った瞬間、自宅のベッドから落ちていた。
私は生きている、「I’m still here!」と声高らかに叫ぶシーンが印象的。
人が死んだ後に残るものは、得たものではなく、与えたものなんですね。
観るなら、クリスマス直前のこの時期にぜひ。心からお薦めします。
★★★★★
2013.12.4 以下追記
弊社監修の電子書籍版を出しました。最廉価です。読むなら、クリスマス直前のこの時期にぜひ。クリスマスに心がほっこりします。
「沈まぬ太陽」:不思議なさわやかさが後に引く
を(遅ればせながら)観了。
主人公・恩地元は「国民航空」の労働組合委員長を務め、ストライキ権を武器に労使交渉で勝利する。しかし報復人事で左遷、パキスタン(カラチ)→イラン(テヘラン)→ケニア(ナイロビ)勤務を強いられ、日本に戻れない日々に苦悶する。片や、労組で一緒に戦っていた副委員長・行天四郎は経営陣に懐柔され、出世の道を突き進む。
その後、ようやく日本に戻れた恩地を待っていたものは、御巣鷹山墜落事故担当、激務が彼を襲う。そのうち、総理大臣の肝入りで関西財界の現場主義的経営者が会長職に招かれ、彼は会長室へ抜擢配属される。そして、会社に巣食っていた不正を摘発することとなる。
しかし、その不正の一部が政権に不都合となったため、会長が辞めさせられ、恩地に再度アフリカへの配属命令が下る・・・というストーリーだ。
これでもか、これでもかと、身に降りかかる試練。それは、「これでも幸せでいられるかい?」「これでも楽しくしていられるかい?」と神に試されているかのようだ。
墜落事故で家族全員を失った方の絶望感に比べれば自分の試練など・・・という自己処理も少し登場するが、アフリカの悠久な大地が自分の悩みをちっぽけなものに感じさせてくれる。その納得感のほうが好きだ。
敗北にもくよくよしない、男らしく黙々と耐えながらも、逆に不思議なさわやかさが漲るラストシーンは、ヘミングウェイの作品に通じるものがある。傑作。
★★★★★
追伸:
それにしても、山崎豊子さんの作品は悪役と善役がはっきりしている。わかりやすいが、現実はここまではっきりしない。
死ぬときに後悔しないように
最近龍馬伝で高知がブームなのか、昨晩「鬼龍院花子の生涯」がTV放映されていた。
夏目雅子主演の映画版ではない。観月ありさ主演のTVドラマ版。映画版に比べ迫力に欠けるものの、少々抑制された「現実」感があって良い。少し観るだけのつもりが、最後までついつい観了(笑)。
死ぬ間際、養母・歌が松恵に遺す言葉がジーンと来る。
「死ぬときに後悔しないように」
主人公は鬼龍院花子ではなく養女となった(林田)松恵なのに、何故タイトルが「鬼龍院松恵の生涯」ではないのか・・未だよくわからない。どなたか教えてください。
外国人投資家が株主になることの意味
を観了。中国政府系ファンドが日本を象徴する自動車メーカーにTOBを仕掛けますが、はたして防ぐことができるのか?というストーリーです。
以前、英国系ファンドであるザ・チルドレンズ・インベストメント(TCI)がJパワー(電源開発)の株を買い増していった際、日本政府は「国の安全に関わる企業」ということでTCIに対して中止勧告をした事例を思い出しました。
こうした「外国」に対する投資制限は日本に限らないのですが、「外国」に対する不信感が前提にあるのは間違いのないことです。その前提に立つとしても、ファンドが実質的に「外国」か否か簡単に分からない例も今後出てくるでしょう。
上場している限り、国の内外を問わず、友好的敵対的を問わず、色んな株主が入ってくることを防ぐことはできません。
50年後、100年後、「国益」とは何か、世界はどうなっているのかどうあるべきか、上場するとはどういうことか、考えさせられます。
★★★★☆