「いずれ世界には国際連盟のようなものができる」

啓発録 (講談社学術文庫)
啓発録 (講談社学術文庫)

今日は幕末の橋本左内先生のご逝去日。毎年10月7日には、現在でも左内公園(福井市左内町)で多くの市民が参列して墓前祭が行われています。

私が幼い頃この左内公園そばの西光寺保育所に通っていたこと、橋本先生の恩師でもあり福井随一の儒学者・吉田東篁先生の墓に私の先祖の墓が近いこと、事業を始めたのが橋本先生の学んだ大阪・適塾近くということもあり、私にとって橋本左内先生は特別な偉人になっています。

さて、改めて、幕末好きの方には釈迦に説法かと思いますが、橋本左内先生とは安政の大獄(1859年)で刑死した越前藩の志士です。

日英同盟、国際連盟設立の50~60年前に、「いずれ世界には国際連盟のようなものができる。その中心になるのは英か露。厳しい国際社会を日本が生き抜くには、開国をして、どちらかの国といずれ同盟を結ばねばならない」という当時としては卓越した見識の下、松平春嶽公とともに開国に向けて駆け抜けた生涯でした。

西郷隆盛をして7歳年下の先生を「友として最も尊敬する」と言わしめ、緒方洪庵をして「橋本はいつかわが適塾の名前を高めるであろう」と絶賛、川路聖謨をして「一生の間多くの人に会ったが、これほど優れた人物はまだ見たことがない」、水野筑前守をして「橋本左内を殺したことで、幕府は滅んだのだ」と言わしめた幕末の横綱級ヒーローだと思っています(笑)。

今日は、先生が少年の頃に書き留めた「啓発録」をお薦めします。

内容は

・「幼稚な心を捨てる」
・「気を奮い起こす」
・「志を立てる」
・「優れた人々の善事善行にならう」
・「友達をえらぶ」

の五か条からなっていて、少年の気高い志を感じます。

さらに、「学」の本当の意味とは、家庭や学校や職場で、周囲の人々に真心と愛情をもって付き合い、自分のしなければならない仕事には誠実に立ち向かって、全力を尽くす気構えを持つことだと。

はたして私はできているだろうか・・・命日を迎え、改めて先生の純真な志を刻んでおきたいと思います。

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