新興国の成長を如何に取り込むか

新興国20ヵ国のこれからがわかる本 (PHP文庫)
新興国20ヵ国のこれからがわかる本

新興国をどう括るか?

ご存知、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめ、ポストBRICsとして注目されている、

■ VISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)

■ NEXT11(イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ)

中東・北アフリカの新興国11か国である

■ MENA(ミーナ)(UAE、イスラエル、エジプト、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、トルコ、バーレーン、モロッコ、ヨルダン)

などが挙げられるが、同著では上記のうち20か国をサラリと採り上げている。浅い情報だが、全体的な入門としては気軽で読みやすい。

個人的には、仕事で絡んでいるバングラデシュ、イランに注目している。

これからの日本は、もちろん内需も重要だが、新興国の成長を如何に取り込むかが勝負。

しかし自動車・家電以外の日本企業の腰は概して重い。心配。

日本人はもっと多様な生き方をしていいんじゃないか

旅に出よう―世界にはいろんな生き方があふれてる
旅に出よう―世界にはいろんな生き方があふれてる

若い夫婦が自由に5年間海外で旅をしながら暮らしてみました!というジュニア向けのユニークな本。旅に出たくなること請け合いだ。

西豪州、インドネシア・レンバタ島、ミャンマー・タイ国境地帯、中国・昆明、上海、イラン、スイスで出会った人々を通じて、都度感じたこと考えたことをわかりやすく書いている。

改めて、世界の人々の暮らしは思った以上に多様だ。日本でいう「普通の生き方」は、そんな色んな生き方に比べて、全然「普通」ではないということ、さらに何より、お金がなくても5年間世界を旅することができると実証してみせているところがこの本の一番の魅力だと思う。

日本人はもっと自由に多様な生き方をしていいんじゃないか。そう背中を押してくれる。

ペルシアの偉大な詩心を知りました・・・

中世ペルシアの偉大な詩人、オマル・ハイヤーム(Omar Khayyam)。イランの八大詩人の一人にも数え上げられ、田舎の農夫でもその詩の一首や二首は知っているという。


Omar Khayyam (想像図かと・・)

彼の四行詩集『Rubaiyat ルバイヤート』は、1859年に英国の詩人エドワード・フィッツジェラルド(Edward Fitzgerald)がその価値を認め、翻訳し自費出版したものの、なかなか買い手がつかなくて一時は1ペニー(今日の為替換算では1.3円程度)の安値で古本屋に並んだという。


Edward Fitzgerald

が、その後、ラファエル前派の詩人ロゼッティ(Rossetti)とスウィンバーン(Swinburne)がその価値を認め、19世紀末から今世紀の初めにかけて、「オマル・ハイヤーム」ブームが欧米で起きた。


Rossetti         Swinburne

そんなオマル・ハイヤームの『ルバイヤート』。以前から人名・書名だけは聞いたことがあったが、最近初めて読んだ。考えさせられる詩がいくつもあった。

ないものにも掌の中の風があり、
あるものには崩壊と不足しかない。
ないかと思えば、すべてのものがあり、
あるかと見れば、すべてのものがない。

一滴の水だったものは海に注ぐ。
一握 の塵だったものは土にかえる。
この世に来てまた立ち去るお前の姿は
一匹の蠅――風とともに来て風とともに去る。

地の表にある一塊の土だっても、
かつては輝く日の面、星の額であったろう。
袖の上の埃を払うにも静かにしよう、
それとても花の乙女の変え姿よ。

禅問答風、老子風でもある。さらに、いくつか気に入った何首かを紹介する。中国の唐詩のようでもある・・・

おれは天国の住人なのか、それとも
地獄に落ちる身なのか、わからぬ。
草の上の盃と花の乙女と長琴さえあれば、
この現物と引き替えに天国は君にやるよ。

この永遠の旅路を人はだた歩み去るばかり、
帰って来て謎をあかしてくれる人はない。
気をつけてこのはたごやに忘れものをするな、
出て行ったが最後二度と再び帰っては来れない。

あしたのことは誰にだってわからない。
あしたのことを考えるのは憂鬱なだけ。
気がたしかならこの一瞬を無駄にするな、
二度とかえらぬ命、だがもうのこりは少ない。

愛しい友よ、いつかまだ相会うことがあってくれ、
酌み交わす酒にはおれを偲んでくれ。
おれのいた座にもし盃がめぐって来たら、
地に傾けてその酒をおれに注いでくれ。

『ルバイヤート』はオマル・ハイヤームが晩年に書いた詩だろう。

老い先長くない運命を感じつつ、人生のはかなさ、人生の短さ、自分が生まれてきた意味などあったんだろうか・・・と悩む気持ちを素直に吐露しながら、だからこそ、今この一瞬を楽しみ、全てのものに愛おしさを感じ、この二度とない人生を精一杯謳歌せよ、と遠い昔のペルシアから呼びかけてくる気がする。

世界的視点を得るためにも、イラン文学史に燦然と輝く詩、一度は読んでみてください。おススメ度 ★★★★☆

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)
ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

今日は日本の建国記念日・イランの革命記念日

今日2月11日は日本の建国記念日。そしてイランの革命記念日。

1979年2月11日、イラン・パフラヴィー朝が倒れ、反皇帝派が政権を掌握した。その後ホメイニ師が提唱する「法学者の統治」による国家体制へと進んでいく。

両者に共通するのは、いずれも神に関係する人(々)が国を打ち立てるという点。偶然ながら面白い・・・

世界の人口 上位20か国はどう変わるか?

総務省統計局によると、2008年時点での上位20か国は以下の通り。

 1. 中国 13億36百万人
 2. インド 11億86百万人
 3. アメリカ合衆国 3億9百万人
 4. インドネシア 2億34百万人
 5. ブラジル 1億94百万人
 6. パキスタン 1億67百万人
 7. バングラデシュ 1億61百万人
 8. ナイジェリア 1億51百万人
 9. ロシア 1億42百万人
10. 日本 1億28百万人
11. メキシコ 1億8百万人
12. フィリピン 90百万人
13. ベトナム 89百万人
14. エチオピア 85百万人
15. ドイツ 83百万人
16. エジプト 77百万人
17. トルコ 76百万人
18. イラン 72百万人
19. コンゴ 65百万人
20. タイ 64百万人

そして、2025年の人口上位20か国は以下の通り。 (順位上昇↑、下落↓)

 1. インド 14億47百万人 ↑
 2. 中国 14億46百万人 ↓
 3. アメリカ合衆国 3億55百万人
 4. インドネシア 2億71百万人
 5. ブラジル 2億29百万人
 6. パキスタン 2億25百万人
 7. ナイジェリア 2億10百万人 ↑
 8. バングラデシュ 2億6百万人 ↓
 9. ロシア 1億28百万人
10. エチオピア 1億25百万人 ↑
11. メキシコ 1億25百万人 
12. 日本 1億22百万人 ↓
13. フィリピン 1億16百万人 ↑
14. コンゴ 1億7百万人 ↑
15. ベトナム 1億6百万人 ↓
16. エジプト 99百万人 
17. トルコ 90百万人
18. イラン 88百万人 
19. ドイツ 80百万人 ↓
20. タイ 69百万人

2025年といえばあと15年後。おそらくあっという間だろう。

インド、中国、アメリカ、インドネシア、ブラジルなどの中間所得層に少しでも喜んでもらえるものをどれだけ提供できるか。今から将来のために準備できるか否かが15年後の企業の浮沈を決める。

どんな国の人でも、より美味しいものを食べたい、より良いものを手に入れたい、より便利で快適なサービスを受けたい。先進国の人々が享受している生活を必ず求めていく。それはあまりにも自明だ。

過去の先入観や偏見で心が曇っていないか。日本だけが市場ではない。世界は広く、市場は大きいのだ。