先日、「中国全省を読む事典」「新華僑」「蛇頭」など多数の著作を持つ莫邦富さんにお話を伺いました。
現在59歳。思春期の頃に文革時代を過ごし、黒竜江省に下放され、その後上海外大で日本語を学んだとのこと。
その頃、日本語文献は政府が認可するものしか読めないので、日本人の先生から借りた松本清張の小説などを教科書の中に隠し挟み込んで、見つからないかドキドキしながら、暗いトイレに机を持ち込みさらにその上に椅子を乗せて裸電球の下で読んでいたそうで・・苦労が偲ばれます。
最近の中国情勢については、街に出て意思表示をする「上街派」とネットで意見を述べる「上網派」という2種類の人たちがいること。比較的「上網派」には理性的な人が沢山いること。
反日デモの最中に「破壊行為をしないで」と主張する勇敢な中国人女性がいたり、北京の劇団で主演の日本人女性が外されたことに抗議する「上網派」が多数いたり、JAL機内食のパンダのデザートの写真に感激するすごい数の中国の人がいたり・・など、リベラルな中国人も多いことも教えてもらいました。
当たり前ですが、日本にもいろんな人がいるように、中国にもいろんな人がいます。この当たり前のことを時々忘れてしまう思考に注意したいと思います。