ワンシートで事業計画書を作れ

事業計画書の作り方・通し方
事業計画書の作り方・通し方

を読了。詳細な事業計画書を作る前にワンシートで事業計画書を作れ、それをベースに関係者とコミュニケーションを図れ、という主旨。

初心者向けかと思うが、詳細な事業計画を作ろうと思って断念した人、時間がかかった人にとって、事業計画というものに気軽に取り組めるようなマインドセットを訴えている点がグッド。企画書も本質は同じ。

ブレイクスルーの起こし方に決定的な法則性はない

ブレークスルーの瞬間 何があの企業を飛躍させたのか
ブレークスルーの瞬間 何があの企業を飛躍させたのか

知人から紹介されて読了。著者もプロローグで述べているように、ブレイクスルーの起こし方に決定的な法則性はない。「複雑系」の世の中ではわずかなタイミングの差や偶然が企業の栄枯盛衰を分けている。

さらに、栄枯盛衰も、今のタイミングで見るとそうであって、もっと長いスパンで考えるとどうなるかわからない。好調な時に失敗の要因が、不調の時に成功の要因が潜んでいるものだ。

さはさりながら、色んな企業の成功・失敗を決めた要因を相当数インプットしておくことは必要だ。誰しも自分の経験には限界があるからだ。そして、プロの将棋指しと同様、徹底的な過去の定石のインプットの果てに「大局観」が養われ「常識の枠をはずすこと」ができるのだと思う。

同著では12の事例が掲載されている。こうした事例を経営者なら少しでも多く消化しておかなくてはいけない(苦笑)。個人的には目から鱗が落ちたアルダス社の事例が非常に為になった。オススメします。

生きるということは自然・大宇宙とのセックス

タオ・コード―老子の暗号が語り出す性の五次元領域から迸る秘密の力
タオ・コード―老子の暗号が語り出す性の五次元領域から迸る秘密の力

老子の「道徳経」に秘められた新解釈。あえて一言で思い切って言うと、

男女間のセックスなどに満足していてはいけない、生きるということは自然・大宇宙とのセックスだ

という暗号を「道徳経」にかぶせたということ。深い(微笑)。

ストーリー・文章表現は△なので、特にノンフィクション仕立てにしなくても良かったと思うが、少なくとも私にとって老子がより一層面白くて深くなったことは間違いない。

老子を読んだことがない方には、普通の老子を読んでからこちらを読むことをお勧めする。

オススメ度 ★★★☆☆

中国のSNS事情

中国のSNS市場も成長中。「人人網」と「開心網」が人気を博している。人人網には1億6,000万人のアクティブユーザー、開心網にも9,300万人のユーザーがおり、利用者数は増加中。

Facebookに対しては、アクセス制限がかけられている一方で、海外サーバー経由でサービスを利用しているユーザー数は既に5万6,000人にも上ると言われている。

人人網は学生層のユーザーから支持されているが、開心網のユーザーには会社員などの中間所得層が多い。開心網では、企業が自社アカウントを取得し、PR・集客に活用する事例が多く見られる。

以上、WIP刊「世界WEB入門2011」より

日本ネット経済新聞に掲載されました

中国ECのいま」というコーナーで、WIP(ウィップ)ジャパン第2情報事業部マルチリンガルカートグループ・百瀬の記事を掲載いただきました!

中国では、福島原発事故の影響について、沖縄近辺まで危ないと考えている人が多いという結果が出ています。政府レベルでも民間レベルでも、早急に正しい情報提供を行うことが求められています。

以下、記事本文(テキスト)です。

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■ ECAA加盟各社の視察日誌

■ 放射能への不安感の高い中国 適切な情報提供必要

当社では海外向けネットショップASP「マルチリンガルカート」というサービスを運営しています。特に中国に特化したサービスではありませんが、マルチリンガルカート全体で見ますと、中国は流通額において3番目に多い取引先に当たります(ちなみに1位は香港、5位に台湾が入っています)。

さて、東日本大震災における海外消費者の反応は、ユーザー店舗の取り扱う商品やコンセプトによりさまざまでした。まったく売り上げに影響がみられない店舗もあれば、数か月間店舗の運営が困難になる店舗もありました。マルチリンガルカートでは震災直後に「義援金募集機能」を追加し、中国・香港をはじめとする様々な地域の方から各店舗へ励ましのメッセージと義援金が寄せられました。しかし、その後もおしなべて買い控えとみられる売り上げ減少の傾向が強く見られたのがこの中国及びその周辺地域でした。

この原因は何でしょうか。WIPジャパンでは今回の震災以降、継続して自主調査を行い海外消費者の日本への意識を調べています。

具体的には、2011年4月・5月にイギリス、ドイツ、フランス、台湾、中国、オーストラリア、アメリカ、シンガポール(8か国)18歳以上の男女、各国約200名にアンケート調査を行い、「海外における東日本大震災に関する知識・意識の把握」を実施しました。得られた結果で最も大きな差が出ているのが「原子力発電所放射線/放射能の影響範囲意識」です。

上図は、事故の発生した原子力発電所から放射線/放射能の影響によりどのくらいの範囲で危険だと感じるかを日本地図に描いた同心円から選んでいただくもので、当社が設定した6つの距離から選択していただくのですが、同図のように、中国・台湾以外に居住している外国人が「原子力発電所に近い地域のみを最も危険だと感じる」ことと比較し、中国及びその周辺地域の外国人は、「沖縄付近の地域に対しても危険を感じる」と回答する方が最も多いという結果が出ました。詳細は下のグラフの通りです。

中国およびその関連地域の居住者がなぜこれほど遠方まで強い危険性を感じ、かつ数か月経過してもその不安が解消されないのかには、現地における報道内容、接触できる情報など様々な要因が考えられます。中国へ日本から販売しようとする越境EC市場を拡大していくためには、現地消費者に対し、適切な情報提供を行っていく必要性を強く感じています。