「人はなぜ生きなければいけないのか」


老師と少年 (新潮文庫)

先日、平秀信さんにお勧めいただいて読了。

著者の南直哉さんは長野のご出身で、永平寺で修行され、現在福井で住職をされています。私の郷里は福井・永平寺に近いところなので、不思議なご縁を感じました。

色んなことに揺れ動く自分にドスンと安定した不動の心を築けないものかと、以前、永平寺の参禅研修に一人で参加したことがあります。

その時学んだのは、座禅だけが禅ではなく、日常の全ての行為の中で自分の心の動きをしっかりと見つめること。腹が立った時、嫉妬心が生じた時、相手に不満を感じた時、あっ今動いた、なんでそう思ったんだろう・・と振り返る自分が登場したことでした。

そして、肉体的な欲と精神的な欲(=思考)を分けたほうが良さそうだということ、「常識」というものからもっと自由になりたいと思ったことでした。

この本、色々と考えさせられます。「人はなぜ生きなければいけないのか」「自分とは何か」を真剣に問いかける少年に対して、老師はいかに答えるでしょうか?

常に「答え」を求めている自分がいることに気づかされます。理由・答えのない世界にいるんだと改めて教えられます。

「大切なのは答えではなく、答えがなくてもやっていけること」

何度も読みかえしたい本です。

★★★★★

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