一流ランナーのスピードが伸びなくなる最大の要因は何か?それは・・・
・ 新記録を達成してしまうか
・ 重要なメダルをもらうか
だという。(Scientific American 1976.6)
「一流選手たちのスピードは、ある一定のタイムに届くと伸びなくなるのではなく、記録を達成した時に伸びなくなる。それは後に続くチャンピオンたちも同様だ。・・(中略)・・先輩たちがそうであったように金メダルをもらうと記録が伸びなくなる。引退する理由がメダルであってタイムではないのだから、彼らが達成したスピードが人間の肉体の最終的な限界だとは考えられない。」
ランナーに限ったことではない。すべての人・チーム・企業・国家にも同じことがあてはまる。「目標」が「終着点」になるということだ。
しかし、「極める」という美意識が日本にある。つまり、終着点のない向上の道を歩む人を美しいと感じる感覚だ。
日本人はそれを「道」と名づけた。武士道、剣道、柔道、合気道、書道、華道、茶道、さらには、商道、野球道など、日常的なこと、身の回りのこと、小さなこと、仕事に関連することを極めながら、さらにその素材を通して、自己の向上と人間的な成長を図っていこうとする美意識は世界的にも貴重だと思う。
主人公が成長していくストーリーは日本のマンガのお家芸。それが次第に海外の人たちの間で人気が高まっているのもむべなるかな。