中国で論語が人気に

中国で「国学」熱が高まっている。中国でいう「国学」とは、四書五経、儒教、道教などを研究する学問で、最近は「三国志」や「紅楼夢」、古詩など古典文学から書画などの芸術を含めた中国伝統文化学習全般のこと。

1960年代後半から1970年代前半まで続いた文化大革命の時代、伝統的なものは何から何まで「旧文化」とされ、纏足や女中といった旧い慣習は勿論のこと、陶磁器や金魚までも対象になり、儒教も全面否定、孔子廟も破壊された。

ところが、近年、「論語」入門書がよく売れ、四書五経を解説するTV番組も人気。北京師範大学教授の于丹さんは、中国中央テレビ(CCTV)の教養番組に登場、中国古典の意味を分かりやすく解説して一躍大人気を博し、「于丹『論語』心得」は1000万部以上の空前のベストセラーに。

「書院」という国学の授業がある私立学校に子女を通わせる親も急増していると聞く。

昔、中国人留学生と中国古典の話になった時、あまりピンと来ていない様子にがっかりしたこと幾度もあったが、今後、日本人と中国人の間に共通の話題ができることは好ましいトレンドだ。

論語力
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