「60年間保証」に負けた日本

先日、UAE(アラブ首長国連邦)の原発プロジェクトを韓国が受注。技術で負けない日本がなぜ負けたのか?

決め手は「建設後、国として60年間運転を保証する」という韓国政府の一札だった。

ベトナムの原発プロジェクトでもロシアがほぼ受注内定らしい。

国営企業ならいざしらず、国が民間企業のプロジェクトを「保証」するということについて、公平性の観点と、変化が激しく会社の寿命が短くなっている昨今、半世紀以上の長期保証が果たして可能かどうか、ペイするのかどうかという点から、実に面白い事例で知恵の出しどころだと思う。

純粋なビジネス上の営業施策としても非常に示唆のあるニュースだ。

「NO」と言えないインド人と真逆のインド人

インドでビジネスを行う際に注意すべきことがあります。

たとえば、自分にはできそうもないのに「NO」と言い出せないインド人は実は少なくありません。そのためにも、安心して「NO」と言える状況を作ってあげることが重要です。

また話し合いの席では、年長者に遠慮して意見を控える風潮がありますが、何も反論しないからといって、その発言に同意しているわけではありません。

一方、欧米化されているインド人は意見もはっきり言うので、彼らに合わせた対応の仕方が望まれます。国際会議でインド人を沈黙させるのは至難の業だという声も聞かれます。

さすがインド、多様です。

参考: http://www.davinciinstitute.com/events/442/startup-junkie-underground–monday-may-17-2010

トップセールスの極意

社長がやるトップセールスの極意
社長がやるトップセールスの極意

販売の鬼と呼ばれ、リコーの最強販売軍団を作り上げた田中道信さんが、ご自身の失敗談も交え、どのような点に留意してトップセールスをすべきか、販売部門・販売網・仕入先を強化すべきかを具体的に述べている。

実践の場にいる経営者にとって、マーケティングとは、

1 マーケットインの思想で
2 売れる商品をどう探し、見つけるか
3 売り方をどう決めるか

という急所について、トップセールスをやりながら、顧客の動向、自社の体質・戦力、ライバル会社の動向を直に感じ考え、自社に合った実行可能なやり方に絞り込むこと。

マーケットインとは、相手の立場に立って、全員で「お役立ち」を考えること。社内であろうと、次の工程にいる人・部門は「お客様」であること。

人間がやるのだから欠陥があって当然。悪い点があるほど宝の山だ。悪い点は次々と直していけばいいじゃないかと。

参考にしたい。★★★★☆

盗み聞きするマーケティングリサーチ

黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則
黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則

20年前、さびれて何とか農業で食いつないでいるような温泉街だったのが、今や全国トップクラスの人気を誇り、2009年版ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、温泉地として異例の二つ星を獲得した黒川温泉(熊本)。★★

同温泉にある新明館の三代目だった黒川哲也さんが、人気のきっかけになった洞窟風呂を思いつくのは、盗み聞きするマーケティングリサーチがヒントでした。

黒川さんは京都などの観光地に出かけ、若い観光客の後をつけて、何を話しているのかを盗み聞きして一生懸命メモしたそうです。

そして、今の若い人たちが求めているのは心からの癒しと自然のくつろぎだと知って、黒川温泉の辺鄙な立地を活かし、「日本人の心のふるさと」を作ろうと決心。手作りで雑木林の中の露天洞窟温泉を作ったところ、たちまち評判となります。

すると、同じ温泉街の他の旅館も自然を活かした露天風呂を次々と作り、温泉街全体も鄙びた感じに整備することで今日の人気になりました。

市場の本音を必死に聞き出すマーケティングリサーチ。メモとして・・

トイレでひらめくマーケティングリサーチ

リコー創業者の市村清さんは戦後三愛を立ち上げる時、たまたま百貨店のトイレから漏れ聞いた若い女性の会話でひらめいたそうです。近頃の若い女性はトイレであけすけに話すなぁと。

そこで、5人の女子学生アルバイトを2か月間雇って、百貨店のトイレで化粧直しをしながら、若い女性たちが何を話しているのか、具体的にメモさせ、報告してもらいました。

さらに女子店員を集めて、お小遣いがあったらどんな服を買いたいか聞いて、好きそうな服のサンプルを問屋からかき集めました。

次に、集めた服を女子店員の前に並べて、どれが一番好きか、どの色がいいかを投票させて、品揃えを決めました。

専門家ではなく、こうした若い女子店員が選んだ商品は大当たりをしたそうです。

当たり前ながらあまりやっていないマーケティングリサーチ。メモとして・・

ロシア発: いい製品は口コミで売れる、というのは本当?

「いい製品は口コミで売れる、というのは本当か嘘か?」と題して、ロシア人でマーケティングの専門家でもあるスヴェトラーナ・グラドコヴァさんがブログで述べています。結論から言えば、

「クチコミで売れる製品もあれば、そうでない製品もある」

ということ。

えっ・・ w(゚o゚)w それは当たり前では・・・(笑)

いえいえ、そもそもクチコミで売れるためは、「いい製品」では足りない。非常に革新的な技術を備えた製品でなくてはならない。

具体的な例として、音声通信ソフトのSkype(スカイプ)を挙げています。

技術に限らず、革新的なサービスや手法や味や形状があれば、まずクチコミで売れるための第1関門を通過できる。

しかし、どんなに優れた製品・サービスでも、市場に売り込むためには、人々に「その製品やサービスが必要であることを理解してもらう」ことが重要で、そのプロセス抜きではクチコミは広がりません。

いったんそれが広まれば、あとはクチコミの力でどんどんとシェアが広がっていきます。今ブームのTwitter(ツィッター)もその典型例です。

結局、少々月並みな結論ながら、まとめると・・

1. 非常に優れた製品・サービスであること
2. 人々に「必要」あることを理解してもらうこと

インドでどんな家電が売れるか?

インドの中流家庭では、家電製品はほとんど揃っていても、日本製品は少ない。日本製品は、価格が高かったり、機能が複雑すぎることから敬遠されてしまうそうです。

たとえば、液晶テレビがどんなに微妙な色彩を表現できると宣伝しても、関心は示されません。多言語国家のインドでは、画面の美しさよりもバイリンガル機能に注目が集まります。

また、大家族でベジタリアンが多いインドでは、洗濯機はいかに大量に洗えるか、冷蔵庫はいかにたくさんの野菜が入るか、がポイントなんですね。

新たな企業成長のための6つのポイント

そもそも「本業」とは何か?

この「本業」を定義する上で、従来のように「・・業」と定義するのではなく、

・自社に最も高い収益性をもたらしうる顧客層は?
・自社において最大の差別化要因になっている点は?
・自社に不可欠な商品やサービスは?
・上記4つを支える重要な資産(特許、ブランド、ネットワークなど)は?

を考えてきめ細かい定義を行うこと、そしてその「本業」を強化すべきだと主張するChris ZookさんとJames Allenさん(『本業再強化の戦略』著者)。さらに、本業の周辺領域に進出して企業成長を図る場合、以下の6つのポイントを検討用テンプレートとして提供しています。

1 新しい地域に拡大できないか?
・世界進出による拡大
・より国内ローカルへ拡大

2  新しいチャネルへ拡大できないか?
・インターネットによる拡大
・自社チャネルによる拡大
・間接チャネルによる拡大

3 新しい顧客セグメントへ拡大できないか?
・現在のセグメントをより細分化
・まだ掘り残しのあるセグメントへ
・全く 新しいセグメントへ

4 新しい製品で拡大できないか?
・次世代モデル製品
・製品サポートの向上
・他を補完するする製品
・全くの新製品

5 新しい事業で拡大できないか?
・新規需要をおこす
・代替ビジネスをおこす
・全く新しいビジネスモデル

6 新しいバリューチェーン を作れないか?
・上流への垂直統合を図る
・下流への垂直統合を図る
・売却の可能性を探る

自分用のメモとして・・

本業再強化の戦略
本業再強化の戦略

船井流数理マーケティングは「1:1.3」

ある認知心理学の実験。予め1m、1.1m、1.2m、1.3m・・・と10cmずつ違う長さの棒を用意しておきます。

まず、被験者に1mの棒を10秒見せて隠します。次に、「1mの棒より長い棒はどれ?」と順番に、1m、1.1m、1.2m、1.3m・・・と見せていくと、1.3mで殆どの人が差を認識するといいます。

誰でも長さの差を認知できるのは、1.3倍になった時、というわけです。

これをマーケティングに応用すると、競合と差別化するには、品揃えの数、大きさ、売場面積など、いずれも競合の1.3倍が必要だ、という風に考えるのが「船井流数理マーケティング」です。

また逆に、価格、待ち時間、納期などは1.3倍少なくする。つまり、価格なら、1÷1.3=0.76=24%引き、待ち時間なら24%短くする、ということです。

覚えておきたい数値ですね。