郷土に刻まれた司令長官の言葉

先日実家に帰省した際、福井市役所の玄関に二つの巨大な書が掲げられているのに初めて気付いた。

一つは岡田啓介の「恭倹博愛」、もう一つは加藤寛治の「修道保法」。ともに福井市出身、第16代と第17代の連合艦隊司令長官という絶妙な組み合わせ。

ちなみに、「恭倹博愛」とは、人には礼儀正しく、自分は謙虚に質素に振る舞い、すべての人を平等に愛し慈しむこと。「修道保法」とは、道義を正しく身につけ、組織の秩序や規則を保つこと。いずれも組織の長たる要諦か。自身の座右の銘であったに違いない。

面白くない仕事

仕事の中には面白くない仕事があるかもしれない。面白くない仕事を面白くする工夫は大切だが、面白くない仕事をいかに早く片付けるか、これに知恵を絞り努力することも大切である。

なぜなら、面白くない仕事をどれだけ早く捌けるかで、面白い仕事にどれだけ多く出会えるかが決まるからだ。作業のスピードをもっと上げ、もっとたくさんの面白い仕事に出会いたい。面白い仕事に頭脳と体力をぶつけたい。

人生、何が起きるかわからない

登別温泉・第一滝本館。知る人ぞ知る南外吉さんという波乱万丈の人生をくぐった人が中興の祖として同館の歴史に名を刻んでいる。

彼は最初水運会社で巨万の富を築いた。しかし洪水にあって倉庫も船も失って一文無しになってしまう。お金に困って、その後、札幌の風呂屋で釜焚きをするが、風呂屋が閉鎖して失職。

次に300坪の土地を借りて大豆を作ったら大成功。全財産をはたいて3000坪の土地を借りて大豆を作ったら大雨で大失敗、借金を抱えてしまう。

その後、旅館に養子にやっていた息子を頼って、その旅館の下男の仕事を始めた。苫小牧の駅前で旅館案内をするために吹雪の中で、毎日必ずずっと立って客待ちをしていたらしい。

その頃、滝本さんという老夫婦が登別で5部屋ほどの旅館を経営していたが、後継ぎがいないというので買い手を探しているとき、客待ちをしている南外吉の姿を見ていた登別森林鉄道の社長が、外吉さんに「滝本館」を買わないかと声がけした。しかし外吉さんにはお金がない。社長は「私が全部貸してあげるから、お金ができたら返してくれ」と言ってくれた。そのお金で滝本館を買い取った。63歳の時だった。

その後、外吉さんは75歳で亡くなるが、5室の滝本館がその後30年で400室の温泉旅館になった。

まさに塞翁が馬。人生、なにが起きるかわからない。

仕事を遊びのように

仕事を道楽にせよ 経営に従事する者は、社にいると、家にいると、車の上にあるとを論ぜず、四六時中、経営のために憂き身をやつして、しかも余裕綽々たるためには、仕事を道楽化することが必要である (鹿島守之助翁)

仕事は遊びとは違う、と思っていると、退屈で苦痛の仕事になってしまう。人が生まれてきたのは「遊ぶ」ため。そう考えると、仕事を遊びのようにできる境地に至りたいもの。

やったるわい 言えば元気が 湧いてくる

「やったるわい!」とこぶしを上げて叫びたくなるドラマがある。昭和の関西テレビ『どてらい男(やつ)』だ。

私の名前は、父が好きだった西郷輝彦から採られた。福井出身の主人公が大阪に丁稚奉公に出るところも私の祖父と同じ。私自身も社会人のスタートは大阪だったので主人公と同じ。以前から観たかったドラマだった。

Amazon(京都ch)にあることが判明し、毎晩家内と少しずつ観ていたが、「本編~戦後編」で終了(涙)。「どてらい男ロス」になってしまった(笑)

因みに原作のモデルとなった山本猛夫氏とドラマのあらすじはこちら → https://www.yamazen.co.jp/museum/drama/story/

観れば「やったるわい!」と叫びたくなること請け合い。昔の大阪商人のバイタリティが理解できるだろう。

20190826_112329

魯迅と藤野先生

昨年の「日本タウン誌大賞」を受賞した福楽(夏号)が届いた!今回は、あわら市・藤野厳九郎記念館の記事について。

「私が師と仰ぐ人の中で、彼はもっとも私を感激させ、私を励ましてくれたひとりである」

中国の文豪・魯迅の「藤野先生」という短編に登場する文言。魯迅が仙台で医学を学んだ時の恩師があわら市出身の藤野厳九郎先生であり、彼は帰国後も先生の写真を掲げて自らを鼓舞していたらしい。

中国では「藤野先生」はよく知られているが、福井県(あわら市)出身であることは殆ど知られていない。未読の福井人には必読の短編であるし、非常に強力な観光資源として活用すべきと思う。

いまさらながら、国と国の交流は首脳同士の会談というより、こうした人と人の心温まる交流が基本。中国人留学生や観光客が増えている昨今だが、どのように接するべきかを藤野先生は改めて示唆している。

調べたら先生(旧福井中卒)は私の学校先輩だった。背筋が自然と伸びてくる。

—————

藤野厳九郎記念館
http://www.city.awara.lg.jp/…/72…/kankoshisetsu/p000263.html

福楽
http://fukui-fukuraku.com/

わかりやすい動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=YupfPd-yAvE

20190625_122204

インバウンド対応は脳を若くする

先週、永平寺町観光物産協会にて訪日インバウンド対応(キャッシュレス含む)についてお話させていただいた。ご清聴に感謝です!

外国語・外国人・スマホ・ソーシャルネットなど、よく分からないものに接することが脳に良い=ボケないと言ってきました(汗)

「ボケ防止にインバウンドを」 (^O^)/
少し踏み込みすぎたかもしれない(謝)

20190620_181754

久方ぶりに「男の作法」を読んだ

面白い。だが、池波翁の美意識をそのまま飲み込んだ25歳頃と読後感が違う。私の意見と少し違うかな、と思える箇所が生まれたということだ。

100%、翁に合わせる必要はない。美意識の基準は一つではなく、自分なりの「かっこ良さ」「かっこ悪さ」の基準を持つことが大事だと思う年になったということに気付く読後だった。

もちろん未読の男性には一読を勧めたい。

男の作法

大志を抱け、この老いぼれのように

IMG_1319

141年前の今日(4/16)、クラーク博士は見送ってくれた学生達を振り返りながら、声高く「Boys, be ambitious like this old man(諸君、大志を抱け、この老いぼれのように)」と叫んだらしい。映画「シェーン」の最終シーンみたいなかっこよさが目に浮かぶ(笑)

ご存知の通り、札幌農学校初代教頭となって植物学の教鞭をとった彼は、意外なことに、植物学者としては決して優秀ではなかったそうだ。しかし、「学問への興味を引き出す」ことがすばらしく上手だったと伝えられている。

私の小学生時代の恩師小森先生も同じように、学問の面白さを教えるのが上手だった。加えて、自分で考え自分の言葉で答えを言わないと鉄拳を飛ばすという非常に個性的な先生だった。私は小森先生のそういう考え方が好きで、非常に大きな影響を受けた。

私の机上にはクラーク博士の小さなミニ肖像が飾ってある(笑)。何歳になっても「大志を抱け」を胸に、また、二人の先生を見習って、自分の頭で考えること、好奇心・興味を引き出すのが上手な人間になれたらと思う。

若い新卒社員が入るたびに思う

まず、「プロ」の世界に飛び込んだと認識すること、一人前になること、技能を身に付けて人様の役に立つこと、を目標にひたすら向上してほしい。

どんな大不況になろうと、食いっぱぐれのない、力強くたくましい人間になってほしい。

いざ組織がつぶれたり、組織から放り出されたり、定年になって退職しても、直ぐに自分や家族の食い扶持ぐらいは稼ぎ出す人になってほしい。

もし他の業界や他の会社に転職したとしても十分にプロとして通用する人になってほしい。

こうした積極性をもって仕事に臨むことこそ、大地に根を下ろしたような自信と力強さを生み、愛する人や家族を守る源だと思う。

偉そうなことを言ってしまった(汗)

私も、より沢山の人に喜んでもらえるよう、生涯勉強し向上していきたい。一緒に学んでいこう。

人の行く 裏に道あり 花の山

涙を流してまで感謝されるような仕事、してみたいと思いませんか? YES?

本当に喜ばれる仕事って、誰もやりたがらない、急ぎで面倒くさくて危なくて汚くて、でもやっぱり必要で大切な仕事のことなんだよって。それって大企業はできなくて、中小企業こそができるんだよって。胸にささる。


自分を磨く「嫌われ仕事」の法則

あるレストランのシェフ

あるレストランのシェフの話を読んだ。すばらしいと思った。

一人で厨房で仕事をしている間は、ずっと集中し続けなければなりません。一時も気を許すことができない作業が続きます。

でも、毎日それができるのは、はっきりとした理由があるからです。

それは、今作っている料理を召し上がっているお客様の笑顔が見えるんです。

そして、そのお客様が家に帰って、家族に今日の料理の自慢話をしてくださっている姿も見えます。

さらに、その話を聞いた家族が『私も連れてってほしい!』と言っている姿も目に浮かびます。

そして、その家族が友人に電話をして、一緒に私のレストランに来る約束をしている姿も見えます。

そして、友達をたくさん連れて、お店にみんなが笑顔でやってきてくださる姿が見えるのです。

すべて、ただの妄想かもしれませんけどね。でも、そう思うと、今やっていることから、手を抜くことができなくなるんですよ。

ところが、無意識で仕事をしている時は、そのイメージが消えてしまっています。そんな時は、仕事に集中し続けることはできません。

どのように一回塩を振るかで、お店の未来、地域の未来、自分の未来が変わる、という感覚が必要なんです。

すべての仕事に通じると思う。仕事に意味を与えているのは自分だと思う。つまらない仕事かどうかを決めているのは他の誰でもなく自分だと思う。

Chef Preparing Meal for Family

魂というのは本当にあるのかも・・

人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-
人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-

最近、友人知人のご家族が相次いで亡くなり、「死」について考えさせられています。

同著者は宗教家ではありません。東大医学部の先生として、臨床医として、多くの生死に間近に接してきて、科学的には説明が付かない数多くの不思議な体験談を通じて、「魂」というものについて考察しています。

不思議です。同著を読んでいると、「魂」というものが肉体という着ぐるみを着ているのかもしれない、ゆえに、肉体の死はあっても、魂は死なない、という気がしてきます。

これからは本当の「魅力」勝負になってくる

斎藤一人の道は開ける
斎藤一人の道は開ける

これからは家柄でも学歴でなく、本当の「魅力」勝負になってくる。対顧客はもちろん、オフィス内、そして家庭内でさえも、人間としての魅力がないとダメだと。

厳しい~ (財津一郎風でお願いします・笑)

「グローバルリーダー」の条件とは?

経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目
経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目

の著者・新将命さんの講演を伺いました。駄洒落とジョークをドンドン繰り出しながら(笑)「グローバルリーダー」の5条件を述べられました。

1. 世界を知り、違いを尊重し、日本人としての主体を保ちながら、相手にも合わせる

2. 方向性(=理念+目標+戦略)を腹落ちするようにコミュニケートし、義務感でなく「やりたいからやる」という動機を醸成し、正々堂々のプロセスで結果を出し、後継者を育てる

3. 教養の裾野が広く、ユーモアがあり、数字の裏づけを持った論理的なコミュニケーターで、義理人情にも厚い

4. NOを礼儀正しくキッチリと言い、礼状・礼メールと共に議事録は必ず共有して曖昧な点を残さず、姿勢が良く、プライバシーに立ち入った質問は遠慮がち、日本人と日本語で話すときは断りを入れる気遣いができる

5. 語術力が高い (言語は学問ではなくあくまで術=スキルだ)

という、5条件どころではない高いレベルなのですが(苦笑)、肝に銘じておきたいと思います。

自立的な組織を作るには?

最高のクラスのつくり方
最高のクラスのつくり方

会社とは大人が通う学校だと思う。お金を稼ぎながら、一生涯ずっと学び続ける場所だと思う。

そうすると課長・部長・社長は担任の先生か・・・

そんなことを考えていた矢先、なんと、生徒自身が目標を作り、孤立した生徒を出さない、仲良しグループだけでいつも固まらない、お互いに率先して教え合う、そんな小学校のクラスが実在すると知り、参考になるかもしれないと思い読んでみた。

すると、その小学生たちが協同して作った本だった。実に愉快な成功事例だ。

学校も会社も同じ。子どもも大人も同じ。自立的な組織を作る基本、ここにあり! 感謝。

世界を獲るための7つの条件とは?

ニッポンの「世界No.1」企業
ニッポンの「世界No.1」企業

世界を獲るための条件とは何だろう?日経産業新聞は7つを挙げています。

1 「技」を極める(オンリーワン)
2 「最」にこだわる(最高、最小、最軽量、最強)
3 先手必勝!(開発先行、特許戦略)
4 顧客志向に徹する(改善はもちろん世界にサービス拠点を置く)
5 世界を見据える
6 +αで差をつける
7 M&A・提携で飛躍する

同著には世界No.1シェアを獲っている企業がずらり。確かに、日本の技術にはすばらしいものが多い。

しかし、すごい技術にすごい値段をつけている企業が多いのも確か。売れればいいが、多くの企業はそう簡単には売れなくて嘆いている。

日本企業が苦戦している理由は、かなり単純化すると、日本企業は高い品質の製品を高く売り、中韓企業はそこそこの製品を安く売り、世界の消費者やバイヤーの多くは後者を選んでいるだけのこと。

同著に掲載されている企業の製品は、その点、価格と品質のバランスが結果的にとれているということだ。

日本の「技術崇拝」もそろそろ注意が必要ではないか。あらゆるモノには値段がある。