多文化チームをどう導くか?

「多文化チーム・マネジメントシリーズ(アジア編)」 DVD観了 ~(-o- )~

アジアという地域における対話型グローバルリーダーシップに必要なポイントは以下の通り。

1 意味を伝える
1-1 期待値を伝える
- 自分の常識を疑う
- 指示においてはSMARTを習慣化する
Specific
Measurable
Achievable
Result-oriented
Time-bound
- 大事なことは大事だとわかるように伝える
- 仕上がりイメージや例を示す
1-2 コンテクストを伝える
- 暗黙の了解を「見える化」する
- コンテクストの共有は十分に行う
1-3 成功へのステップをイメージさせる
- 自分の成功体験で手順を語る

2 相手を巻き込む
2-1 メンバーにとって真に重要な事を話す
- 心を動かすメッセージを一言で伝える
- パーソナルメッセージにして伝える
2-2 相互の出張をアラインする(並べる)
- メンバーの主張や話をよく聞く
- 共有ニーズを確立する
- メンバーが受け入れやすい方法を提案する
2-3 行動へホールドする
- メンバーの意向も組み入れる
- メンバーを巻き込んで解決策を一緒につくる
- 自らの行動を選択させる
- 賛同を得られない場合 いくつかの選択肢を明示する

3 チームで働く
3-1 情報は常にオープンにする
- 情報共有は平等に
- 共通語で話す
3-2 共に考え、計画し、決定する
- 常に全体利益を基調に話す
- 必ず事前相談をする
3-3 チームの一体感を醸成する
- チームの共有価値やゴールを語る
- 仕事の節目ごとに気軽に参加できるイベントを催す
- 年長者には一定の尊敬をもって接する

4 協働する
4-1 戦略的結節点として働きかける
- 個人目標と組織目標を結びつける
- 本社の意向はメンバーの納得を得られるように伝える
4-2 メンバーのチャレンジ精神を鼓舞する
- メンバーの成功と成長のためにネットワーク作りを支援する
- メンバーの恐怖感や落胆を排除する
- 能力経験を尺度に公正な人事考課を行う
4-3 新しい可能性に関心を持つ
- 提案は柔軟に受け入れる
- 判断を一時留保する
- 質問形式で伝える
- ナショナルスタッフの知恵を借りる

5 違いを尊重する
5-1 メンバーの社会文化的ニーズに配慮する
- 個人の事情も受け入れる
- 仕事以外の役割に配慮する
- 対話で解決策を見出す
5-2 問題発生時に個人や民族を責めない
- 感情に任せて叱らない
- 傷つける言葉は慎む
- 定期的にカウンセリングを
- ネガティブな話は「We」、ポジティブな話は「You」
5-3 メンバーそれぞれの強み・弱み、独特の動機に配慮する
- スキルレベルやモチベーションに合ったアドバイスをする
- メンバーと調整する余地を残す

以上、自分用のメモとして・・・

それは本当に解くべき問題なのか?

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

刺さる言葉をザクザクもらった・・耳が痛い

・問題に直面すると「まず、解くべきだ」と考えてしまいがちだが、最初にすべきことは、それが「本当に解くべき問題なのか」を正しく見極めること

・仕事では、意味のないことを断ち切ることこそ大切

・「考える」と「悩む」は違う
・「悩む」とは「答えが出ない」前提で「考えるフリ」をすること
・「考える」とは「答えが出る」前提で、建設的に考えを組み立てること
・この2つは、似ているようで全然違う
・ビジネスや研究では、あくまでも「考える」こと
・「答えが出る」という前提に立って「悩まない」というのが、仕事で最も大事にすべき信念
・悩んでいるヒマがあれば考えよ

・「知れば知るほど知恵がわく」のでなく「知りすぎるとバカになる」と考えるべき
・「一つ一つを速くやる」より「やることを削る」ことにこだわるべき

・プロにとってバリューのある仕事とは何か?
・バリューは、「この問題に答えを出す必要性の高さ」(問題の重要度)、「どこまで明確に答えを出せるかの度合い」によって決まる
・多くの人は「解=答えの質」だけが仕事のバリューを決めると思っている

・仮説を立てて、それを「問い」として言葉に落とすこと、また、その問いは、きっちりと答えを出せるものであるべき。世の中には、いくら考えても答えの出ない問題はいくらでもある。注意が必要

以上で十分。メモとして・・・

同じものを売ってどうして他の人とそんなに違うんだろう?

買わねぐていいんだ。
買わねぐていいんだ。

JR東日本新幹線車内販売員(新幹線アテンダント)は合計1300名。その中で売上ナンバーワンの女性が書いた本。

同じものを売ってどうして他の人とそんなに違うんだろう?

性格が明るくて美人、それでいてかなり強い山形弁。このギャップに乗客は魅せられるのだろうか・・・

確かに、この点も大きい。つかみもいいし、有利なことは間違いない。

でも、これが決め手ではない。

他の人と大きく違うのは、圧倒的なお客様視点で働いていること、色んな情報を提供していること、感情を移入して接客していること。これがスバ抜けていると思う。加えて、色んな工夫を積み重ねている。

読んでいて、ついポロリともらい泣きしてしまう箇所あり。一度新幹線でお目にかかりたい。

ブラックコーヒー、買ってきてくれ

ある業界の会社社長が社員に「ブラックコーヒーを買ってきてくれ」と頼んだそうです。来客用のコーヒーでした。

その社員は携帯電話を忘れたままブラックコーヒーを買いに行きました。一軒目にブラックコーヒーはなく、他の店をいろいろと探しましたが全く有りませんでした。1時間たっても帰ってきませんでした。その間にお客様は帰ってしまいました。

また、ある社員はブラックコーヒーがなかったので、そのまま席に戻って仕事をしていました。社長が気づいたのは、来客が終わった後でした。

信じられないかもしれませんが、このような社員は実在します。実は、「ブラックコーヒーを買ってきてくれ」の指示には暗黙の隠れた指示がたくさんあったのです。

「お客様に出すコーヒーです」
「一軒目にブラックコーヒーがなかったら砂糖入りでも構いません。それもなければ紅茶でも緑茶でもかまいません」
「遅くとも15分以内に完了してください」
「買ってきたら私にコーヒーとお釣りを渡してください」
「変更があるかもしれないので携帯電話を持っていってください」

等々。正解は有りませんが、あなたならどのように指示しますか?

人にお願いごとをするというのは、実は深いのです。海外の文化の違う人に依頼をする時はなおさら気をつけたほうがいいと考えさせれらました。

手塚治虫さんの働きぶり、尋常じゃない

ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~
ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~

築地王・小関さんから勧められて読了。「このマンガがすごい、2011年第1位」の帯通り、すごかった。こんなに働く人、見たことがない。周りも大変。門下生から偉大な作家が沢山生まれた。

週刊連載8本を捌いていく・・・って、きっと自分で自分を追い込み、その中で生まれるギリギリのプレッシャーこそが手塚さんにとって創造力の源なんだろう。少し同じタイプかも。私も追い込まないと駄目だな。

専門家・官僚の思考原理、「東大話法」とは?

専門家や官僚の行動原理、思考原理を「東大話法規則一覧」としてまとめた人がいる。東大教授の安富さんだ。元住友銀行ということで私の少し先輩にあたり興味を持って読了。

安富さんによると、現代日本人と原発の関係と、戦前の日本人と戦争の関係が似ているという。戦争へと突き進んだ流れと原発推進に向かった流れを、水の対流が始まる仕組みになぞらえ、権威者が使用する話法の煙に巻かれてはいけない、もちろん自分も使用してはいけないと主張する。

「東大話法規則一覧」を挙げると・・・

1. 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する
2. 自分の立場の都合の良いように相手の話を解釈する
3. 都合の悪いことは無視し、都合の良いことだけ返事する
4. 都合の良いことがない場合には関係のない話をしてお茶を濁す
5. どんなにいい加減でつじつまのあわない事でも自信満々で話す
6. 自分の問題を隠すために同種の問題を持つ人を力一杯批判する
7. その場で自分が立派な人だと思われることをいう
8. 自分を傍観者とみなし、発言者を分類してレッテル貼りし実体化して属性を勝手に設定し解説する
9. 「誤解を恐れずに言えば」といってうそをつく
10. スケープゴートを侮辱することで読者・聞き手を恫喝し迎合的な態度をとらせる
11. 相手の知識が自分より低いとみたらなり振り構わず自身満々で難しそうな概念を持ち出す
12. 自分の議論を公平だと無根拠に断言する
13. 自分の立場に沿って都合の良い話を集める
14. 羊頭狗肉
15. 訳のわからない見せかけの自己批判によって誠実さを演出する
16. 訳のわからない理屈を使って相手を煙に巻き自分の主張を正当化する
17. ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる
18. ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて自分の言いたいところに突然落とす
19. 全体のバランスを常に考えて発言せよ
20. 「もし○○であるとしたらお詫びします」と言って謝罪したフリで切り抜ける

これだけではピンとこないかもしれないが、東大出身者というより「東大的」権威者が使う話法を類型化しておくことで、話す側に釘を刺し、聞く側に鵜呑みへの注意を促している。

個人的には特に8。「客観的」と「傍観的」に区別をつけないといけない。当事者が客観的にモノを話すと傍観者のように受け取られるということ、必ずしも常に客観的・俯瞰的視点が正しい結果を生むとは限らないこと。

こうしたことは当たり前なのだが、「客観」「分類」を土台にした科学的議論に価値を置きすぎると、「わからない」と正直に言えないプライドも手伝って、「主観」「感性」「良心」「当事者意識」を忘れがちであることに注意したい。

原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―

曽野綾子さんの潔さ


高齢化社会が到来し、経営者にはどんな心構えが必要かと問われ、曽野綾子さんが答えている。

主人(作家の三浦朱門氏)は、ここ10年ぐらい、公的機関で代表者を務める際には、就任と同時に辞表を書いています。私も同じようにしています。

私や息子、秘書が「主人が相当におかしくなって社会にご迷惑をおかけしている」と判断したら、日付を記入して提出すれば辞任できます。主人には、もし自分が倒れたら翌週には辞表出せと言われています。

代表者のお立場であれば、一つの目安として、70才を過ぎたら辞表を用意した方がいいと思います。そして異変を感じたらパッと提出して身を引く。

もちろん事業から資本まですべて自分一人で手がけていて誰にも迷惑をかけていないという個人商店であれば居座ってもいいかなとは思います。そうでない限りは周りを困らせるだけでしょうね。

(日経トップリーダー 2012.2号)

予め引くことを考えて任に就く。決して高齢になった時に限らないと思った。潔いとはまさにこういうことですね。自分用のメモとして・・・

ランナーのスピードが伸びなくなる最大の要因は何か?

一流ランナーのスピードが伸びなくなる最大の要因は何か?それは・・・

・ 新記録を達成してしまうか
・ 重要なメダルをもらうか

だという。(Scientific American 1976.6)

「一流選手たちのスピードは、ある一定のタイムに届くと伸びなくなるのではなく、記録を達成した時に伸びなくなる。それは後に続くチャンピオンたちも同様だ。・・(中略)・・先輩たちがそうであったように金メダルをもらうと記録が伸びなくなる。引退する理由がメダルであってタイムではないのだから、彼らが達成したスピードが人間の肉体の最終的な限界だとは考えられない。」

ランナーに限ったことではない。すべての人・チーム・企業・国家にも同じことがあてはまる。「目標」が「終着点」になるということだ。

しかし、「極める」という美意識が日本にある。つまり、終着点のない向上の道を歩む人を美しいと感じる感覚だ。

日本人はそれを「道」と名づけた。武士道、剣道、柔道、合気道、書道、華道、茶道、さらには、商道、野球道など、日常的なこと、身の回りのこと、小さなこと、仕事に関連することを極めながら、さらにその素材を通して、自己の向上と人間的な成長を図っていこうとする美意識は世界的にも貴重だと思う。

主人公が成長していくストーリーは日本のマンガのお家芸。それが次第に海外の人たちの間で人気が高まっているのもむべなるかな。

「攻め」の一年、グローバル需要を取り込む


枝野経済産業大臣の2012年コメントに賛同。

活力ある経済を築くためには、成長著しい新興国を始めとする世界中の需要を取り込み、海外の富を国内に循環させることも重要です。日本が規格製品の大量生産で他国と価格を競える時代は終わりました。日本にしかできない、日本で創るからこそ魅力がある製品やサービスで海外市場を開拓していかねばなりません。その意味で「クールジャパン」の推進をより多くの分野で展開したいと考えています。また、日本が強みを盛るインフラ・システムや環境技術・製品の海外展開を促進します。

そもそも政府に頼っていてはいけない。私たちも自分達でできる限りのことをやる!

以上。 \(^O^)/

「鬼は内、福は外」というリーダーシップ

もうすぐ節分。昔、季節の変わり目に鬼が出て邪気を出すと信じられ、悪霊払いの儀式として豆まきが始まったらしい。

そういえば、季節の変わり目は風邪を引いたりする。そういう私も風邪を引いた。きっと鬼の仕業だろう(笑)

ところで、京都府福知山市の大原神社では「鬼は内、福は外」というらしい。鬼は神社が引き受けるから、福は氏子の家に行け、という意味らしい。すばらしい。

リーダーはかくありたいものです。


葛飾北斎 「節分の鬼」

飛行機に乗れないからといって目的地に行くこと自体を諦めるな


君と会えたから・・・

ハルカとの出会いがヨウスケの人生をガラリと変えるストーリー。

人の命ははかない。どんな人も必ず死ぬ。死後に残るものは、得たものではなく与えたものだということがよくわかる。万人に薦めたい。

涙なしで読めません。読んで良かった。お気に入りの言葉を以下自分用にメモしておく。まず前半・・・

決して冷めない狂おしいほどの情熱を持って行動を繰り返せ

人間は未来のことを考えるときに、
うまくいったらこうなるということ以外に、うまくいかなかったらどうしよう、
それどころか、どうせうまくいくはずがないといったことも一緒に考えてから、
自分のやるべきことを決めてしまう。
大きな夢を抱けば抱くほど、そうだ。
そうしてうまくいく確率の方が低いと決めつけ、夢に向けて行動を続けることを、
宝くじと同等の非常に確率の低いものに投資する行為と見なしてしまう。
そして結局、夢へ向けての行動を取ろうとしない。

しかし、それは間違っている。
もしすべてうまくいくとしたら、
絶対に欲しい物が手に入ると約束されているとしたら、
あなたは、何を目標とし、それに向けて何をしますか?
あなたは知っていますか?あなたにはそれが約束されていることを。

すべてがうまくいくとしたら、絶対に欲しい物が手に入るとしたら、
と考えたときに出てくるものこそが、
あなたの本当にしたいことであり、必ず達成できるゴールだ。
むろん夢を抱くだけでは、どんなに強く思っていても達成などできない。
大切なのは行動だ。
もちろんとてつもなく大きな夢を三日で達成するのは難しいだろう。
大きな夢ならそれを達成するために必要な時間もまた多くなる。
しかし、手に入らないものではない。

私たちの未来の夢は、絶対に手に入ると狂おしいほどに信じて
それに向けて情熱を絶やさず行動を繰り返す限り、
それがどんなに大きな夢であっても、
必ず達成されることが約束されている約束の地であり、
それを確率の低いものに変えてしまっているのは、
冷静な分析と称して行動することもなく
頭の中で繰り返される消極的な発想にほかならない。

その他、後半で考えさせられた言葉、共感する言葉を・・

・欲しい物を手に入れるためにお金を払っているのではない。それに、携わった人に「ありがとう」を届けているのだ。

・お金を儲けるということは「ありがとう」を集めるということだ。

・今の自分の中には外に漏れるくらい明るい光が煌々と灯っているか

・職業というのは夢を実現するための一つの手段であることを忘れてはいけないし、それがだめだからといってすべてがだめということではない。

・飛行機に乗れないからといって目的地に行くこと自体を諦めるな!

・昨日までできなかったことを理由に自分は一生それができない人間だと決めつけてしまう。昨日までできなかったという事実が今日もできないっていう理由になんかならない。人間は日々成長して変わってるんだから。

・人間が幸せに生きるために何が必要だと思う?
多くの人はお金だというかもしれないね。でもそうではないんだ。
大切なのはどんな状況であっても幸せに生きられる強さと賢さを持つことなんだよ。
お金があるから幸せに生きられるという生き方ではなく、
自分の人生に必要なものは、それがお金であれ、なんであれ、
自分で創り出すだけの強さと賢さを持った人間になること。
周囲の価値観に流されるのではなく、自分のやりたいことをやって生きていく強い人間に、
そして、どんなときだって明るく前向きで、周囲の人に優しくしてあげられる、
優しく、強い人間になることが必要なんだよ。

よろしければおススメします。

心を尽くすということ

今日は吉田松陰の命日。

「できるなら、どうか心をつくし、能力をつくし、また、これまで蓄えた力を全て発揮して、出し惜しむことのないようにしてください」

「心を尽くす」という言葉が刺さる。耳が痛い・・。周りの人や組織や社会を全力で思い、その思いを全力で受け止めているか・・「心を尽くす」のは簡単ではないが、毎日、心も力も全てを出し切って、死んだように眠りにつけたらどんなにすばらしいだろう。

吉田松陰名語録―人間を磨く百三十の名言
吉田松陰名語録―人間を磨く百三十の名言

日本は世界が賞賛するほど豊かな国ではなかった


途上国化する日本 (日経プレミアシリーズ)

日本の一人当たり名目GDPは、1970年代に英国を抜き、1980年代に米国を抜いた。1990年代前半には米国の1.5倍に達した。

しかし、各国の物価を勘案した「一人当たりの購買力(平価)調整済みGDP」で比べるとどうなるか?

つまり、米国の1.5倍になっても、日本の物価が米国の2倍だったら、日本人一人が買えるモノの量は米国人一人より少ない、ということになってしまう。そこで、物価というモノサシ(購買力平価)でGDPを調整すると、一体どうなるか?

実は・・・

日本はずっと米国より低かったのである w(゚o゚)w

日本人の実質的な所得レベルは米国を追い抜いたことなど一度もなかった。ピーク時(1991年)でも米国の89%。そして現在70%へダウン。

さらに、いつの間にか(1990年代前半)シンガポールには抜かれ、差は開く一方だ。このままの成長率だと、マレーシアにも早晩抜かれるらしい。

日本は、少なくとも経済的には「欧米に追い付け追い越せ」を達成したのではなかったか。欧米を抜いて一度はトップに躍り出たのではなかったか。

マラソンでいえば、後続集団から這い上がって先頭集団に追い付き、さらにその先頭集団を引っ張るほどの位置に上がったと思っていた。ところが、実は、先頭集団後方に追い付いたところでちょっと一安心、息が切れて失速。現在、後続集団に少しずつ抜かれ始めているという状態だ。

この事実、経済に詳しい人には「何を今更」と言われるかもしれないが、勉強不足の私にとってちょっと一発浴びせられた気分になった。日本は一度はトップに立った。だから「目標」を見失ったんだと、とんだ勘違いをしていたわけだ(笑)。

まあ、それだけ日本の消費者は高いものを買わされてきたということか・・・。豊かさを実感できないという世論も当たり前の話しだ。

でも、いい。日本に新たな目標が生まれる可能性がある。物価を勘案した(一人当たり)所得レベル世界一という目標だ。

果たして、先頭に立つエネルギーと気概が日本に残っているだろうか・・・

無一文の青年・ジェームズの日課

昔、ニューヨークに住む無一文の青年・ジェームスが小さな新聞を発行した。世人は「恐らく2ヶ月ももたないだろう」と言った。

彼の日課が残っている。

午前5~午前8時: 自宅にて論説と時事評論を書く
午前8~午後1時: オフィスに出勤、新聞販売、広告募集、編集・雑務
午後1~午後4時: ウォール街にて商況その他探訪
午後4~午後6時: オフィスにて編集
午後6時~ 帰宅、夕食後、劇場その他人気のスポットを探訪

彼は毎日16~17時間働いた。名前はジェームズ・ベネット(James Gordon Bennett)。

彼の新聞「ニューヨーク・ヘラルド」はその後世界の一大新聞にまで発展した。

もし2,001軒目のレストランでも断られたらどうしますか?

ケンタッキーフライドチキンの創業者、カーネル・サンダースさんがフライドチキンの調理方法を教えることで歩合をもらおうと思いついたのは65歳の時。

ボロいワゴン車1台にフライドチキンを乗せて、2,000軒のレストランを訪ねたが、ことごとく断られた。

その時「もし2,001軒目のレストランでも断られたらどうしますか?」と聞かれて彼はこう答えた。

 

「2,002軒目に行くだけさ」

 

その台詞・・・か、か、かっこよすぎる、カーネルさん!俺なら何回であきらめてしまうだろう?

不可能を可能にする鍵がここにある。


写真: ケイマンのケンタッキー(宮川大輔さんのブログより)

経営者と社員とお客様、3者間の「絆」こそ大事

小手先の集客テクニックより「絆」こそビジネスの基本か・・・耳が痛い。

客は集めるな!~お客様とのきずなを作る3つの関係~
客は集めるな!~お客様とのきずなを作る3つの関係~

「お客様と社員」「社員と経営者」「お客様と経営者」の3つの関係に「絆」を作る方法が紹介されている。メモとして・・

■ 経営者とお客様間のきずなを深めるには・・

・会員システムを作る
・手紙を送る
 (メルマガは読まれない、お客の立場で役に立つ情報を送る できれば手紙で)
・細部にこだわる
・環境に変化を与える
・プレゼントを贈る
 (バレンタインデーやホワイトデーに小さなチョコを)
・気持ちを掴むツール  
 (母の日にはお母さんに感謝しよう!とメッセージカードを。
 四葉のクローバーを。オリジナルビールを)
・新しいコミュニティ
 (お茶会、キャンプ、忘年会)
・ボランティア
 (地域活動に社員がボランティア参加、募金活動など)

■ 経営者と社員間のきずなを深めるには・・

・目的をしっかりと与える
・人生の目標に気付いてもらう
・人生の目標を語る
・社員の悩みを解決する
・社員に感謝する
・社員をねぎらう

■ お客さまと社員間のきずなを深めるには・・

・目的を差し上げる
・成長を確認してもらう
・お客様を守る
・お客様を叱る
・ねぎらいのことば
・離れてしまうお客様を分析する
・社員の力を高める

あと、外部の協力先も加えないといけない。

心の病や性格は「虫」だった?

東豊さん(神戸松蔭女子学院大学人間科学部心理学科教授)と吉井伯榮さんの対談「母が娘に伝えたかった仲良し家族の秘訣」の中で、東さんが述べています。

人の中に病気があります。あるいは性格があります。悩んでいる人は、私は病気の人間だ、私の性格はおかしいというように、自分のものとして悩んでいるわけです。つまり内在化しているわけです。病気や性格を自分自身の一部として見ている。実はこれがやっかいな状態。病気や性格を責めることはすなわち自分自身を責めることになるからです。

もっといえば、家族等の周りの人たちも結果的にその人を責めることになります。つまり「病気を責めること=その所有者である人物を責めること」、「この人間の問題行動を責めること=この人物を責めること」という具合。内在化された状態では、たとえば両親や学校の先生が何らかの問題や症状のある子供さんを責めるというシステムになりがちです。

このように内在化された状態では実は変化が起きにくい。それを変えるために、一つの技法「外在化」を行うわけです。つまり、人から病気や問題を外に出して分離する作業。これがうまくいくと、その人は病気・問題を責めますが自分は責めない。

家族等の周辺の人もその人を責めないで病気や問題そのものを責める。言わば、罪を憎んで人を憎まず。つまり、本人と家族や関係者が真に協力して病気・問題と対決するというシステムができあがるのです。そのようなシステムチェンジの必要があり、これを何とかできないかと思っていたところ、たまたまひらめいたのが「虫退治」という儀式です。

要は、周りの人や子どもに問題行動があった時、原因は「虫がついている」とする見方をとるということです。

不登校の場合、性格や親の対応は関係ない。原因は「虫がついている」と(笑)

すると、虫退治のために、本人と一緒になって取り組みましょう、と視点が変わります。外在化するのがポイントなんですね。「個人」対「個人」ではなく、「虫」対「個人連合」とするわけです。

マインドセットがちょっと変わるだけで見方が変わる例。勉強になります。

今の時代を生き残るには二つのやり方しかない


YKK社長・吉田忠裕さん曰く、

覚悟を決めてどんどん外に出て、柔軟に動く。

それが嫌なら、かたくなに国内に根を生やし、知恵と努力で生きていく。

一番いけないのは迷って足踏みしていることです。

YKKは前者を採った。既に70か国・地域に進出し、ファスナー総生産量に占める国内割合は10%、現地管理職の57%は現地社員だという。

創業者である吉田忠雄さん(父)は、1960年代の国際化の時代に、

社員は現地に永住する覚悟を。土地っ子になれ。

が口癖だった。(以上、参考:朝日新聞グローブ第43号)

今、それを地でいっているのが韓国企業だと思う。

もし伊庭貞剛翁にお会いしたら・・・

翁はこうアドバイスしてくださるだろう。

「もしその事業が本当に日本や世界の為になるもので、しかも貴君やWIPのみでは到底成し遂げられない大事業であれば、貴君はちっぽけな自尊心に囚われないで何時でも進んでWIP自体を放下し、日本中、世界中の大資本家、実業家と合同し、敢然之を造上げようという雄渾なる大気魄を絶えず確りと蓄えて居ねばならない。」

自分用に。

伊庭貞剛(1847~1942、第二代住友総理事、「別子銅山中興の祖」と呼ばれた)