10月1日、日本マクドナルドのマスコットの名前が「ドナルド」から「ロナルド」に変わった。(画像は同社公式Xより)
英語圏ではもともと「ロナルド」であり、なぜか日本だけが55年にわたって別の名で呼んでいた。
元々「ドナルド」にした理由は、マクドナルドの「ド」と頭が揃うので、そのほうが日本人に呼びやすかったからだそうだ。
耳に収まりがいいということは、要するに、日本語の口に合わせてあえて作り変えたわけである。
実はこれは明治以来の翻訳の伝統的作法だ。machine はミシンになり、lemonade はラムネになり、sabão はシャボンになった。原語の音を、日本人が言いやすい形に丸めてしまう。意味までずれた場合もある。ミシンは英語では単に機械を指す言葉だが、日本語では縫うための機械だけを指す別の言葉として定着した。
要は、そうしなければ入ってこなかったのである。外来のものは、こちらの口に合う形に削られて、ようやく生活の中に居場所を得る。
翻訳(特にローカリゼーショ)とは、本来そういう荒っぽい仕事なのだ。
しかし昨日起きたのは、その逆。作り変えたものを、元の形に戻したというわけで・・・翻訳・ローカリゼーション事業に永らく関与してきた者としては、ある意味、画期的な出来事だと思う。
