前回に続いて、山田五郎さん流の美術鑑賞を。五郎さんはモナリザを「『西洋絵画史上最高』とみんながハナから決めつけて観るのはどうなの?」と、お決まりのブームにチクリと釘を刺している。同感。
ダ・ヴィンチは「万能の天才」と言われるが、実はものすごく飽きっぽく、やり散らかして終わる「企画倒れ」が多い人だった。飛行機や戦車のアイデアなど、たくさんのデッサン(設計図)は残したものの、そのほとんどは頭の中だけで終わり、実際に完成させた絵画は一生の間にたった15点ほどしかないと。なるほど。
昔、ルーブルで観たが、『モナ・リザ』って、実はタテ77cm×ヨコ53cmという、とても小さな絵。
五郎さんはそのダ・ヴィンチの「技術」をやはり大絶賛。モナ・リザが笑っているようにも、そうでないようにも見える「謎の微笑」。これは、ダ・ヴィンチが完成させた「スフマート(ぼかし技法)」というすごい職人技のおかげ。普通の絵のように「輪郭線」をハッキリ描くのではなく、薄い絵の具を何十回も塗り重ねて、まるで煙のように境目をあいまいにぼかしていく。これによって、人間の目の錯覚が引き起こされ、観る人のその時の気分によって表情が違って見える不思議な絵になった。
モナ・リザが着ている地味な黒い服は、昔は「お葬式の喪服」だと言われていたが、最新の科学調査で、黒い服の上に「妊婦や出産直後の女性が着る、薄いガーゼの服」が描かれていることが分かった。
つまり、これは新しい命の誕生をお祝いして描かれた、とてもハッピーで温かい絵だったのである。ご存知でした?
